めぐり愛

そんな他愛もない質問をし合い、分かったこと。

相馬 春樹。
十八歳、居酒屋で調理師の見習いをしている。
ここは一人暮らしをしているアパート。

「お前・・・あ〜蘭さ、あんま寝れてなかったのか?」

「・・・え?」

「めちゃくちゃ寝てたから。」

「今って何時ですか?」

一体私はどれだけ寝てたんだろう。
春樹さんに指差された先にある時計に目をやる。

八時・・・?

「昨日、蘭を見つけたのが夜の八時すぎ。で、今も夜の八時。」

・・・ってことは丸一日寝てたの!?

「あ、あの・・・すいません。」

「いや謝んなよ。怪我のせいもあっただろうし、気持ちよさそうに寝てたし。」

確かに寺田が部屋に来るようになってから、まともに寝れてなかった。
いつ寺田が来るかという恐怖に怯えていたんだろう。

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