めぐり愛
いつぶりだろうこんなに眠ったのは。
「腹減ってない?」
お腹空いたかも。
「・・・はい。」
「よし!じゃあちょっと待ってろよ。」
「え、あの・・・作ってくれるんですか?」
「言ったろ?俺、調理師だって。」
すぐ作るから寝てろよ、と付け加えて部屋を出て行ってしまった。
部屋の外から聞こえてくる、キッチンからの音に耳を傾けて何作ってくれるんだろう、なんて考えていた。
しばらくすると
「出来たよ。どうする?こっちに持ってこようか?」
と春樹さんが入ってきた。
「いえ、そっち行きます。」
そう返事をし、ベットから出ようとして気付いた。
あれ?着替えてる。
「あの・・・この服・・・」
「あ〜悪い。着替えさせた。傷の消毒もしたかったし。」
チラッとTシャツをめくるとツーンと消毒液の匂いがした。