めぐり愛
布団を頭まで被り、固く固く目を閉じた。
私は何も見てない。
何も聞いてない。
夢だ。
全部夢なんだ。
そう自分に言いきかせた。
身体が可笑しくなってしまったんじゃないかと思うほど震えて、いつしか意識を手放した。
次に目を覚ました時、目の前にいたのはきょとんとした顔の陸と知らないおじさん。
警察の人だった。
小学校六年生だった私と、五年生だった陸に知らされたのは
【父と母が死んだ。】
ということだけだった。
あぁ・・・母はあの後自らの命を絶ったんだ。
そんな風に考えている冷静な自分がいて、涙が出ることもなかった。
そんな私を
「お姉ちゃん偉いわね。」
「しっかりしてるね。」
と大人達は言った。