めぐり愛

そんな生活にもだんだん慣れてきた私だったけど、ずっと心に引っ掛かることがあった。

夏休みも中旬になった頃、思い切って春樹さんに話すことにした。

居酒屋で働く春樹さんの帰りは遅い。
いつもは先に寝るんだけど、その日は帰りを起きて待った。
いつまでもこのままじゃ前に進めない。

深夜1時を過ぎた頃。
カチャと玄関の開く音にリビングから顔を覗かせる。

「おかえりなさい。」

「おぉ、ただいま。どした?寝れないのか?」

リビングに入った春樹さんはソファーに座る私の隣に座った。

「あの、話があって・・・」

「話し?どした?」

カチッとライターの音がしタバコに火を点ける春樹さん。
このタバコの匂いは、いつの間にか私を落ち着かせてくれるようになっていた。
1人じゃないんだ、春樹さんがいるんだと。

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