めぐり愛

「あの、私・・・弟がいるんです。・・・あの施設に。」

「そっか。で、どうしたい?」

「心配してると思うんです。会いに・・・行こうと思うんです。」

何かを考えてるような表情を見せた春樹さん。

陸、どうしてるかな。
元気にしてるかな。

「じゃあ、会いに行くか。」

いつもの優しい顔で

「俺も一緒に行く。」

そう続けた。

「私、1人で行けますよ。」

「これからのこともあるだろ?だから、俺も一緒行く。」

きっと分かってたんだ。
私が陸に本当のこと、寺田のことを話せない。
これからのことも、うまく話せない。

この短い間に、私が思ってるほどに春樹さんは私のことを分かってくれている。

< 36 / 36 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

晴れのち光
百咲/著

総文字数/838

実用・エッセイ(その他)5ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop