めぐり愛
・檻の中
祖母がいなくなり、身寄りのいなくなった私達は施設へ入れられた。
「自分の家だと思っていいんだよ。ここにいる皆は今日から君達の家族なんだ。」
そう言った施設の園長。
寺田という男の胡散臭い笑顔が大嫌いだ。
あいつの顔を見ると気分が悪くなる。
「よろしくお願いします。」
そう一言返す。
「蘭ちゃんはおとなしいんだね。」
気持ち悪い・・・
すでに私は人が信用出来なくなっていたんだろう。
私とは違い社交的だった陸はすぐに友達も出来、先生達にも心を開いていった。
陸が幸せなら私は幸せだ。