もう、オレのものだから〜質実剛健な警察官は、彼女を手放さない〜
4、側にいるから


(………うぅ………、頭、痛い…………。)


ガンガンと鈍く痛む頭に意識が浮上し、瞼の向こうに光を感じる。

それに刺激されて重たい瞼をゆっくりと持ち上げれば、ぼんやりと白い天井が映る。

見覚えのないその天井に、自分が一瞬どこにいるのか分からなくなった。


「おはよう」

「わっ……⁉︎」


その時、急ににゅっと視界に現れた端正な顔立ちに、私は一気に覚醒して慌てて飛び起きた。

その拍子にガツンと一際大きく鈍い痛みが走って、こめかみを手で押さえる。


「っ、たたたた……!」

「大丈夫か?」


ベッドの淵に腰掛けてこの家の家主、犬飼さんが心配そうに私の顔を覗き込んで来るから、コクコクと頷いた。


「わ、私、昨日……?」

「ああ、たらふく飲んで管巻いて、最後は寝落ち」


言いながら、彼の瞳が面白そうに弧を描く。


「う、うわぁー……!ご、ごめんなさい……!」


どんなに飲んでも記憶は無くならないタチだ。昨日の管を巻いていた自分を思い出して、思わず両手で顔を覆う。

うう……、穴があったら入りたい……。

話を聞いてもらったらちゃんと帰るつもりでいた。寝落ちする予定なんて全然なかったのに……!
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