約束
いつも笑顔を絶やさなかったけど、
自然と無表情になっていった。
感情が薄れ、
ただ生きていて、
何も見えなくなって、
ただ暗闇を彷徨っている感覚だった。
学校以外は家に
ずっとこもるようにもなった。
趣味だったはずの神社巡りもやめて、
外への関心もなくなった。
朝に太陽が昇って、
昼に白い半月が浮かんでいて、
夜に真っ暗な空に星が瞬く。
そんな繰り返される毎日にも
目を向けなくなった。
真っ暗にして
何も見えない部屋の隅に座り、
海人がいなくなってしまったことを
ただただ悔やんだ。
だけど、高校を卒業して、
とりあえず大学へ進み、
丁度海人がいなくなって3年目。
ふと、海人との約束を思い出した。
あの日、『龍恋の鐘』のところで
海人と交わした約束を。
『3年後。僕たちが20歳になったら、
またここへ来よう。
僕、そのときに言いたいことがあるから。
聞いてほしいんだ。』
今でも鮮明に浮かぶ海人の表情や声。
咄嗟に私は行かなくちゃと思った。
それからすぐに3年前のマップを出して、
すぐそばにある海人の家の前に行くと
心の中で
「今から約束の場所に行くからね」
と言って鎌倉へ向かったんだ。
約束を、果たしに。
でも、当時回った通りに
行こうと思ったことが間違いだった。
あの時の記憶がフラッシュバックして
心が締め付けられるように苦しくなった。
泣きそうにもなった。
最後の『龍恋の鐘』のところに来た時には、
もう限界だった。
海人に会いたいよ……。
想いが届くはずもないと思いながら、
言葉を紡いだ。
自然と無表情になっていった。
感情が薄れ、
ただ生きていて、
何も見えなくなって、
ただ暗闇を彷徨っている感覚だった。
学校以外は家に
ずっとこもるようにもなった。
趣味だったはずの神社巡りもやめて、
外への関心もなくなった。
朝に太陽が昇って、
昼に白い半月が浮かんでいて、
夜に真っ暗な空に星が瞬く。
そんな繰り返される毎日にも
目を向けなくなった。
真っ暗にして
何も見えない部屋の隅に座り、
海人がいなくなってしまったことを
ただただ悔やんだ。
だけど、高校を卒業して、
とりあえず大学へ進み、
丁度海人がいなくなって3年目。
ふと、海人との約束を思い出した。
あの日、『龍恋の鐘』のところで
海人と交わした約束を。
『3年後。僕たちが20歳になったら、
またここへ来よう。
僕、そのときに言いたいことがあるから。
聞いてほしいんだ。』
今でも鮮明に浮かぶ海人の表情や声。
咄嗟に私は行かなくちゃと思った。
それからすぐに3年前のマップを出して、
すぐそばにある海人の家の前に行くと
心の中で
「今から約束の場所に行くからね」
と言って鎌倉へ向かったんだ。
約束を、果たしに。
でも、当時回った通りに
行こうと思ったことが間違いだった。
あの時の記憶がフラッシュバックして
心が締め付けられるように苦しくなった。
泣きそうにもなった。
最後の『龍恋の鐘』のところに来た時には、
もう限界だった。
海人に会いたいよ……。
想いが届くはずもないと思いながら、
言葉を紡いだ。