人間オークション ～100億の絆～

麗亜さんと別れた後すぐに且功の部屋に来た。なにをどうやって説明したらいいのか分からないけど、麗亜さんのことを伝えないと。

「命（みこと）、しばらく見ないうちに髪の毛が伸びたんだな。仕事が忙しくてかまってあげられなくてごめんな。」


そう言って且功は抱きしめてくれる。久しぶりの且功の体温…温かい。


「何かあったか？」

「その……ね、2ヶ月くらい前から麗亜さんの体調が悪いみたいなの。でも熱はないし、咳とかもしてない。ただずっと吐いちゃってるの。本当は且功たちには言わないでって言われたけど心配で。」
「他にはどんな症状がある？」

「鶏肉を食べると気持ち悪くなりやすいみたい。もしかしたら貧血とかなのかも……」


私の言葉に何かを考え始める且功。もしかして且功には麗亜さんの謎の病気が分かるの？

「命（みこと）、今日の夕食で4人で集まって話したいことがある。麗亜にはそう伝えておいてくれ。もし僕に何か言ったのかと聞かれたら、分からないとだけ答えておいてくれればいい。」