人間オークション ~100億の絆~
「人間オークションの時のことを知りたい……?」
私が且功の部屋で過ごしていたらいきなり咲月さんに呼ばれた。且功がいる広間へ行くまでに聞かされたのはこの屋敷を建て直すこと、これからは且功と咲月さんと私だけで住むということ。そして、且功が一番に私に聞いたことは人間オークションの様子だった。
「これからの仕事の1つとして人間オークションに手を出そうと思ってる。そのためには情報収集が必要だ。」
「情報って言われても、私は詳しいことは分からないよ。ただ百合婆ちゃんの家にいたときいきなり手紙が届いてそのあとすぐにオークションの場所まで連れていかれたもん。」
「百合婆ちゃん…?お前家族はいないって言ってなかったか……?」
「百合婆ちゃんは私が野外生活をさせてもらっていた土地の人。すごく優しい人だったの。」
「苗字は…?」
「分からない。でも初めて会ったときに百合婆ちゃんって呼んでねって言われただけ。」
「それならその人は人間オークションとは関係ないか……オークションの場所までは何で移動した?」
「トラック。トラックの荷台に入れられて中には私くらいの子たちがたくさんいた。そのとき招待状があるってこと……を……。」
「どうした、命(みこと)。」
そうだ、思い出した。あのとき招待状で呼ばれるなんてことは普通じゃないって言われた時、招待状の意味を教えてくれた人がいた。
「トラックの中で他の子たちに招待状を持ってるの?って私聞いたの。そしたらそんなものはないんだって怒られて悪口を言われたんだけど、そのとき、いたの……私と同じ招待状を持ってた女の子。」
「そいつの名前は…?」
「弥生里香って言ってた。たしかその子のお姉さんが前に人間オークションに出て、家に帰ってこなくなったから探すために参加したって言ってた。」
「姉の名前は?」
「そこまでは分からない……。だけど、こう言ってたの。招待状をもらうっていうことは買い手がほとんど決まっているって。」
「咲月、今すぐ弥生里香の買い手について調べろ。そいつなら人間オークションについて詳しく知っているかもしれない。」
「咲月さん、私からもお願い。里香さんに私も会いたいの。」
「2人とも俺に雑務を押し付けるのは構わないけどさ、この屋敷の全部を俺にやれってか?」
「あいにく僕は他の仕事も詰まってる。何せ、これからは自分で仕事をして稼いでいくしかないからな。命(みこと)、お前、咲月と家事をやるか……?」
「それってまた料理したり掃除したりするってこと…?」
「嫌ならメイドを雇うが……。」
「私やる!前に咲月さんと一緒に料理したり掃除するの楽しかったからやりたい!」
「だ、そうだ。悪いが家のことは咲月、命(みこと)、お前らに任せた。」
「分かったよ。」
「それと、命(みこと)、お前には渡すものがある。」
そう言い且功が出したのは何かの鍵だった。
「お前はもうただの玩具じゃないからな……首輪は外すことにした。」
「本当に…?」
「咲月も、命(みこと)も今までご苦労だった。もう僕たちの主従関係は解く。」
「それなら今日からは家族!ってこと…?」
「そんな……いいものじゃないぞ。」
私の言葉に且功は照れて顔を背けてしまった。
「…まあこちらとしても改めてよろしくって感じだね、且功。」
私が且功の部屋で過ごしていたらいきなり咲月さんに呼ばれた。且功がいる広間へ行くまでに聞かされたのはこの屋敷を建て直すこと、これからは且功と咲月さんと私だけで住むということ。そして、且功が一番に私に聞いたことは人間オークションの様子だった。
「これからの仕事の1つとして人間オークションに手を出そうと思ってる。そのためには情報収集が必要だ。」
「情報って言われても、私は詳しいことは分からないよ。ただ百合婆ちゃんの家にいたときいきなり手紙が届いてそのあとすぐにオークションの場所まで連れていかれたもん。」
「百合婆ちゃん…?お前家族はいないって言ってなかったか……?」
「百合婆ちゃんは私が野外生活をさせてもらっていた土地の人。すごく優しい人だったの。」
「苗字は…?」
「分からない。でも初めて会ったときに百合婆ちゃんって呼んでねって言われただけ。」
「それならその人は人間オークションとは関係ないか……オークションの場所までは何で移動した?」
「トラック。トラックの荷台に入れられて中には私くらいの子たちがたくさんいた。そのとき招待状があるってこと……を……。」
「どうした、命(みこと)。」
そうだ、思い出した。あのとき招待状で呼ばれるなんてことは普通じゃないって言われた時、招待状の意味を教えてくれた人がいた。
「トラックの中で他の子たちに招待状を持ってるの?って私聞いたの。そしたらそんなものはないんだって怒られて悪口を言われたんだけど、そのとき、いたの……私と同じ招待状を持ってた女の子。」
「そいつの名前は…?」
「弥生里香って言ってた。たしかその子のお姉さんが前に人間オークションに出て、家に帰ってこなくなったから探すために参加したって言ってた。」
「姉の名前は?」
「そこまでは分からない……。だけど、こう言ってたの。招待状をもらうっていうことは買い手がほとんど決まっているって。」
「咲月、今すぐ弥生里香の買い手について調べろ。そいつなら人間オークションについて詳しく知っているかもしれない。」
「咲月さん、私からもお願い。里香さんに私も会いたいの。」
「2人とも俺に雑務を押し付けるのは構わないけどさ、この屋敷の全部を俺にやれってか?」
「あいにく僕は他の仕事も詰まってる。何せ、これからは自分で仕事をして稼いでいくしかないからな。命(みこと)、お前、咲月と家事をやるか……?」
「それってまた料理したり掃除したりするってこと…?」
「嫌ならメイドを雇うが……。」
「私やる!前に咲月さんと一緒に料理したり掃除するの楽しかったからやりたい!」
「だ、そうだ。悪いが家のことは咲月、命(みこと)、お前らに任せた。」
「分かったよ。」
「それと、命(みこと)、お前には渡すものがある。」
そう言い且功が出したのは何かの鍵だった。
「お前はもうただの玩具じゃないからな……首輪は外すことにした。」
「本当に…?」
「咲月も、命(みこと)も今までご苦労だった。もう僕たちの主従関係は解く。」
「それなら今日からは家族!ってこと…?」
「そんな……いいものじゃないぞ。」
私の言葉に且功は照れて顔を背けてしまった。
「…まあこちらとしても改めてよろしくって感じだね、且功。」