人間オークション ~100億の絆~
Episode8
「私と会いたがってる人ですか…?」
「ああ、お前がよく知ってるやつだ。誰だと思う?」
「分からないです…家族がいない私に会う人なんて……。」
「弥生里香だよ。お前を落札したときに一緒にいたやつだ。」
「里香さんに会えるですか!?今里香さんはどこにいるですか?」
「まあ、落ち着け。これは向こうからの話なんだ。里香を落札した男と連絡が取れてな、里香がお前に会いたがっているらしい。」
ある朝、久しぶりに且功に呼び出されたから何を言われるのかと思ったら思ってもいなかった嬉しいニュースだった。
「今日、お昼過ぎに喫茶店で里香と里香の落札者、僕とお前で話をすることになっている。」
「話…?」
「ああ、人間オークションのことでな。だがこのことは麗亜には絶対に言うな。」
「且功が言うなら言わない!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
人生で初めての喫茶店はワクワクがいっぱいだ。たくさんのケーキが注文出来ていろんなお茶もある。且功に聞いたら食べたいものを全部頼んでくれた。
「君が如月且功さんだね。今回は里香のためにありがとう、感謝しているよ。君が命(みこと)さんだね。里香が君に会いたがっていたんだよ。」
ここに来るまでに且功から聞いたのは、里香さんが今一緒に住んでいる人は睦月実彦さんという人だということ。そして、里香さんが私に伝えたいことがあるということ。
「命(みこと)……。」
「里香さん……。」
苦しくなるくらい抱きしめ合って再会を喜ぶ私たち。あのとき……私が且功と一緒にオークションの会場を出るとき、里香さんはとても悲しげな顔をしていた。でも里香さんもいい人そうな人に出会えたみたいでよかった……。
「えっと……里香と呼べばいいか?命(みこと)に伝えたかったということを聞いてもいいか?」
「はい。私が命(みこと)に伝えたかったのは……あの人間オークションは最近行われ始めたばかりのようなんです。私のお姉ちゃんが落札されたのが第1回、その後何回か行われ、私たちが参加させられたのが第5回でした。」
「でもなんでそれを命(みこと)に…?」
「人間オークションの開催だけなら私も命(みこと)に言うつもりはなかったんですけど、もしかして人間オークションが開催されてるのって何か目的があるんじゃないかと思って……例えば、誰かを探してる…とか?」
「なぜそう思う?」
「これは私なりに情報を聞いて考えたことなんですけど、実彦さんが言うには通常オークションに参加する落札者たちはオークションが行われる前の日に集まりがあるようなんです。」
「そうだな、たしかに僕にも招待状はきていた。僕は行かなかったが……。」
「たしかに君は来なかった。だが他にも来なかった……いや正確には1度も集まりに来ない落札者がいるんだ。企画側の回し者なのか素性が公になると困るからか分からないが全く顔を見せない。それなのになぜか毎回多額の寄付をして人間オークションを支えてる強力なパトロンのようだ。」
「だがそれが何の関係がある…?」
「話を聞いて例年通りならただのパトロンなんだと私は思いました。でも、今年は通達が来たらしいんです。長月命(ながつきみこと)は私が落札しますという。」
私を落札する…通達…?それは一体どういうことなの…?
「つまり、君の推理を聞くに、その強力なパトロンである誰かが最初から命(みこと)を落札する気……違うな。命(みこと)を探していたのか……?」
「その可能性は十分あるかと思います。でも、なんで命(みこと)が探されているのかだけは全く分からないんです。」
「命(みこと)、お前、両親以外に家族はいるか?」
「いないと…思う。少なくとも私は会ったことがないよ。」
「これはお二人には内密にしてほしいことなんだが、先日人間オークションに問い合わせたら命を200億で譲ってほしいと言ってきたやつがいるということが判明した。もし里香の推理が当たっていればその姿を見せない落札者が関係ありそうだな……。」
「それなら早くその人と会って命(みこと)を欲しがる理由を聞いてください!それに人間オークションを何のためにしていたのかも……」
「その点については心配ない。そちらは連絡が取れて今代理の者に会いに行かせてる。話したかったというのはそれだけか?」
「そう……です。もし、命(みこと)の身に危険が迫ってるならって思って……。私の思い違いならいいんですけど……。」
「ああ、お前がよく知ってるやつだ。誰だと思う?」
「分からないです…家族がいない私に会う人なんて……。」
「弥生里香だよ。お前を落札したときに一緒にいたやつだ。」
「里香さんに会えるですか!?今里香さんはどこにいるですか?」
「まあ、落ち着け。これは向こうからの話なんだ。里香を落札した男と連絡が取れてな、里香がお前に会いたがっているらしい。」
ある朝、久しぶりに且功に呼び出されたから何を言われるのかと思ったら思ってもいなかった嬉しいニュースだった。
「今日、お昼過ぎに喫茶店で里香と里香の落札者、僕とお前で話をすることになっている。」
「話…?」
「ああ、人間オークションのことでな。だがこのことは麗亜には絶対に言うな。」
「且功が言うなら言わない!」
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人生で初めての喫茶店はワクワクがいっぱいだ。たくさんのケーキが注文出来ていろんなお茶もある。且功に聞いたら食べたいものを全部頼んでくれた。
「君が如月且功さんだね。今回は里香のためにありがとう、感謝しているよ。君が命(みこと)さんだね。里香が君に会いたがっていたんだよ。」
ここに来るまでに且功から聞いたのは、里香さんが今一緒に住んでいる人は睦月実彦さんという人だということ。そして、里香さんが私に伝えたいことがあるということ。
「命(みこと)……。」
「里香さん……。」
苦しくなるくらい抱きしめ合って再会を喜ぶ私たち。あのとき……私が且功と一緒にオークションの会場を出るとき、里香さんはとても悲しげな顔をしていた。でも里香さんもいい人そうな人に出会えたみたいでよかった……。
「えっと……里香と呼べばいいか?命(みこと)に伝えたかったということを聞いてもいいか?」
「はい。私が命(みこと)に伝えたかったのは……あの人間オークションは最近行われ始めたばかりのようなんです。私のお姉ちゃんが落札されたのが第1回、その後何回か行われ、私たちが参加させられたのが第5回でした。」
「でもなんでそれを命(みこと)に…?」
「人間オークションの開催だけなら私も命(みこと)に言うつもりはなかったんですけど、もしかして人間オークションが開催されてるのって何か目的があるんじゃないかと思って……例えば、誰かを探してる…とか?」
「なぜそう思う?」
「これは私なりに情報を聞いて考えたことなんですけど、実彦さんが言うには通常オークションに参加する落札者たちはオークションが行われる前の日に集まりがあるようなんです。」
「そうだな、たしかに僕にも招待状はきていた。僕は行かなかったが……。」
「たしかに君は来なかった。だが他にも来なかった……いや正確には1度も集まりに来ない落札者がいるんだ。企画側の回し者なのか素性が公になると困るからか分からないが全く顔を見せない。それなのになぜか毎回多額の寄付をして人間オークションを支えてる強力なパトロンのようだ。」
「だがそれが何の関係がある…?」
「話を聞いて例年通りならただのパトロンなんだと私は思いました。でも、今年は通達が来たらしいんです。長月命(ながつきみこと)は私が落札しますという。」
私を落札する…通達…?それは一体どういうことなの…?
「つまり、君の推理を聞くに、その強力なパトロンである誰かが最初から命(みこと)を落札する気……違うな。命(みこと)を探していたのか……?」
「その可能性は十分あるかと思います。でも、なんで命(みこと)が探されているのかだけは全く分からないんです。」
「命(みこと)、お前、両親以外に家族はいるか?」
「いないと…思う。少なくとも私は会ったことがないよ。」
「これはお二人には内密にしてほしいことなんだが、先日人間オークションに問い合わせたら命を200億で譲ってほしいと言ってきたやつがいるということが判明した。もし里香の推理が当たっていればその姿を見せない落札者が関係ありそうだな……。」
「それなら早くその人と会って命(みこと)を欲しがる理由を聞いてください!それに人間オークションを何のためにしていたのかも……」
「その点については心配ない。そちらは連絡が取れて今代理の者に会いに行かせてる。話したかったというのはそれだけか?」
「そう……です。もし、命(みこと)の身に危険が迫ってるならって思って……。私の思い違いならいいんですけど……。」