人間オークション       ~100億の絆~
「ねえ、且功、里香さんの話を聞いてて思ったんだけど、私のことを探してる人って誰なんだろう…?」

里香さんと睦月さんと話した後タクシーで家まで帰る私たち。今日分かったことは人間オークションが始まったのはそんなに昔ではないこと、そしてどこかの誰かが私を探して始めたかもしれないこと。私の存在が人間オークションが始めた理由。

「さあな、僕にはそんなこと分からん。」
「でもさ、もしその人が私を探してて、私を必要としてるなら、私は且功たちとお別れしなきゃいけなくなるのかな…?」
「言っておくが相手がどこの誰であれ僕はお前を手放す気はないし素性も分からないような相手に悩まされるのは億劫だ。」


家に帰ると麗亜さんが玄関で待っていてくれていた。本当は麗亜さんにも話して私がどうするべきなのかを聞きたい。でも、今はまだ何も言えない。


本当のことが分かるまでは……
< 48 / 113 >

この作品をシェア

pagetop