人間オークション       ~100億の絆~
「且功、麗亜さんの家って大きいのかな?」
「ああ。」
「麗亜さんの家族ってどんな人かな?」
「ああ。」

「ちゃんと話聞いてる?」
「ああ。」


さっきから且功はずっと窓の外を見て何か考え事をしている。やっぱり麗亜さんの家…行きたくなかったのかな?


「命(みこと)、神無月家は僕の家よりも何倍も格式高く由緒ある家系だ。失礼が無いようにするのはもちろんだが気をつけろ。」
「うん。」

気を付けるってなにをだろう…?発言も行動もいつも以上に気を付けなきゃいけないのは分かるけど且功が言おうとしているのはそれだけじゃない気がする。

「命(みこと)、絶対に僕の傍を離れるな。たとえ麗亜が相手でも2人きりにはなるな。」
「うん、わかった。」

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