人間オークション ~100億の絆~
「ねえ、郵便見てきていい?」
「ダメだ。」
「でも玄関のすぐそばだよ?」
「ダメだ。家の中から命(みこと)を出すわけにはいかない。」
神無月家に行ってから且功は私を一切外に出してくれなくなった。買い物はもちろん窓を開けることすら許してくれない。咲月さん曰く過保護ということらしいけどさすがに全然外の空気を吸えないと私も寂しくなってくる。
「且功、いくらなんでもそれは過保護すぎるよ。たまには命のことを外に出してあげたら?」
「だったら咲月に付き添ってもらって郵便受けを見てこい。」
どうにか咲月さんと一緒ならと許可を貰えたから久しぶりに家の外に出ることができた。
「はあ……外の空気は美味しいね。」
「且功のことは許してあげてくれ。」
「許すも何も、私は怒ってないよ?ただ、たまには外の空気を吸いたかっただけ。」
「こんなこと、且功の前では絶対に言えないけど、且功は不安なんだと思う。お前を失うことを。」
「私は且功と咲月さんに要らないって言われるまでは出ていくつもりはないよ。それに、いくら麗華さんが私の本当の母親だとしても私の居場所はここにある。命(いのち)ある限り、傍にいたいから。」
「それは且功に直接言ってやれ。きっと喜ぶ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある朝、寒いからかいつもよりも早く起きてしまった。まだ且功も咲月さんも寝ている。
リビングに来てみると2階以上に寒かった。暖房をつけてテレビをつける。あまり外に出してもらえなくなってからテレビを使うことが増えて今ではアニメやドラマを見て言葉や感情を覚えるようにしている。
コンコンコン
玄関の扉をたたく音が聞こえた。
お客様ならインターホンを押せばいいのにどうしたんだろう…?
コンコンコン
且功と咲月さんが降りてくる気配もないし私が出るべきだよね?
ガチャ
ドアを開けたけどそこには誰もいなかった。イタズラ…?
「おやすみなさい、お嬢様。」
その言葉を聞いたと共にそこで意識を失った。
「ダメだ。」
「でも玄関のすぐそばだよ?」
「ダメだ。家の中から命(みこと)を出すわけにはいかない。」
神無月家に行ってから且功は私を一切外に出してくれなくなった。買い物はもちろん窓を開けることすら許してくれない。咲月さん曰く過保護ということらしいけどさすがに全然外の空気を吸えないと私も寂しくなってくる。
「且功、いくらなんでもそれは過保護すぎるよ。たまには命のことを外に出してあげたら?」
「だったら咲月に付き添ってもらって郵便受けを見てこい。」
どうにか咲月さんと一緒ならと許可を貰えたから久しぶりに家の外に出ることができた。
「はあ……外の空気は美味しいね。」
「且功のことは許してあげてくれ。」
「許すも何も、私は怒ってないよ?ただ、たまには外の空気を吸いたかっただけ。」
「こんなこと、且功の前では絶対に言えないけど、且功は不安なんだと思う。お前を失うことを。」
「私は且功と咲月さんに要らないって言われるまでは出ていくつもりはないよ。それに、いくら麗華さんが私の本当の母親だとしても私の居場所はここにある。命(いのち)ある限り、傍にいたいから。」
「それは且功に直接言ってやれ。きっと喜ぶ。」
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ある朝、寒いからかいつもよりも早く起きてしまった。まだ且功も咲月さんも寝ている。
リビングに来てみると2階以上に寒かった。暖房をつけてテレビをつける。あまり外に出してもらえなくなってからテレビを使うことが増えて今ではアニメやドラマを見て言葉や感情を覚えるようにしている。
コンコンコン
玄関の扉をたたく音が聞こえた。
お客様ならインターホンを押せばいいのにどうしたんだろう…?
コンコンコン
且功と咲月さんが降りてくる気配もないし私が出るべきだよね?
ガチャ
ドアを開けたけどそこには誰もいなかった。イタズラ…?
「おやすみなさい、お嬢様。」
その言葉を聞いたと共にそこで意識を失った。