人間オークション ~100億の絆~
神無月家から出るといつも乗っている車がとまっていて、慌ただしく且功と咲月さんが降りてきた。
「命(みこと)、大丈夫なのか!?」
「私は大丈夫。だけど、麗華さんと喧嘩しちゃった!」
「ほんとにお前は大した奴だな、命(みこと)。」
「咲月さんが褒めてくれるなんてどういう風の吹き回し?」
「いつの間にそんな難しい言葉覚えたんだ?」
「日々の努力。それとね、麗亜さんも一緒だよ。」
私の言葉におずおずと姿を現す麗亜さん。麗華さんの前では強がっていたけどきっと不安でいっぱいなはず。
「私はお母様に別れを告げてきました。もう帰る家はありません……。でも、行く宛も…ありません。」
「それなら私たちと一緒に暮らすのですよ!且功と咲月さんと私、そして麗亜さんの4人で。」
「だけど私にはそんな立場はない。私みたいな汚れた親を持つ私なんて……。」
「麗亜さん、私は生まれたことを後悔なんてしていない。だって、麗亜さんが血の繋がりがある人で且功と咲月さんとも会えた。私の家族は3人もいて幸せだよ。」
「命(みこと)……命(みこと)……ありがとう…。」
初めて見た麗亜さんの涙。きっと麗亜さんなりにお母さんとお別れをしたんだと思う。
「さ、帰ろ。あの家に。」
麗亜さんも今日から大切な家族の1人。これからまた私たちは家族を新しく始める。
「それにしても麗華さんに何て言ったんだ?」
「どうせいつものアレだろ?」
『命(いのち)ある限り!』
「もう、2人して私のことを馬鹿にして!私だって賢くなってるんだから!」
「たしかに今日の命(みこと)はかっこよかったです。自分の正義を貫き通し怖気ずたくましい姿。」
「明日からは麗亜に面倒を見させるか。レディの嗜みも兼ねて。」
「あら、私の指導は厳しいですわよ。果たして耐えられるかしら?」
「どんなことでも一生懸命頑張りますよ!命(いのち)ある限り!」
「命(みこと)のその言葉を聞くといつもの日常に戻るな。」
「しかし、いつまでその決め台詞なんだ?」
「私の命(いのち)、ある限りだよ。」
こうして私たちは幸せな日常に戻った。いや、この時はそう、思っていた。私たちはすぐ気づくことになる。これから起こる悲劇が本当の始まりだということに。
幸せには代償が支払わされるということに。
「命(みこと)、大丈夫なのか!?」
「私は大丈夫。だけど、麗華さんと喧嘩しちゃった!」
「ほんとにお前は大した奴だな、命(みこと)。」
「咲月さんが褒めてくれるなんてどういう風の吹き回し?」
「いつの間にそんな難しい言葉覚えたんだ?」
「日々の努力。それとね、麗亜さんも一緒だよ。」
私の言葉におずおずと姿を現す麗亜さん。麗華さんの前では強がっていたけどきっと不安でいっぱいなはず。
「私はお母様に別れを告げてきました。もう帰る家はありません……。でも、行く宛も…ありません。」
「それなら私たちと一緒に暮らすのですよ!且功と咲月さんと私、そして麗亜さんの4人で。」
「だけど私にはそんな立場はない。私みたいな汚れた親を持つ私なんて……。」
「麗亜さん、私は生まれたことを後悔なんてしていない。だって、麗亜さんが血の繋がりがある人で且功と咲月さんとも会えた。私の家族は3人もいて幸せだよ。」
「命(みこと)……命(みこと)……ありがとう…。」
初めて見た麗亜さんの涙。きっと麗亜さんなりにお母さんとお別れをしたんだと思う。
「さ、帰ろ。あの家に。」
麗亜さんも今日から大切な家族の1人。これからまた私たちは家族を新しく始める。
「それにしても麗華さんに何て言ったんだ?」
「どうせいつものアレだろ?」
『命(いのち)ある限り!』
「もう、2人して私のことを馬鹿にして!私だって賢くなってるんだから!」
「たしかに今日の命(みこと)はかっこよかったです。自分の正義を貫き通し怖気ずたくましい姿。」
「明日からは麗亜に面倒を見させるか。レディの嗜みも兼ねて。」
「あら、私の指導は厳しいですわよ。果たして耐えられるかしら?」
「どんなことでも一生懸命頑張りますよ!命(いのち)ある限り!」
「命(みこと)のその言葉を聞くといつもの日常に戻るな。」
「しかし、いつまでその決め台詞なんだ?」
「私の命(いのち)、ある限りだよ。」
こうして私たちは幸せな日常に戻った。いや、この時はそう、思っていた。私たちはすぐ気づくことになる。これから起こる悲劇が本当の始まりだということに。
幸せには代償が支払わされるということに。