人間オークション       ~100億の絆~
「やっと来たわね、咲月。」

麗亜さんが咲月さんにメールを送ってから2時間くらいすると咲月さんがやってきた。今日はお休みの日なのにどうしたんだろう…?

「麗亜、今日はお前の日だろ?なんで俺を」

パアン

咲月さんが途中まで言いだした時、部屋の中に破裂音が聞こえた。その音と共に咲月さんが頬をおさえる。

「俺はお前に叩かれるようなことはなにも―」
「この恩知らず。貴方、なんてことをしてくれたの?自分のために私や且功さんのことを利用して……記憶を失くしている命(みこと)まで利用して……。自分が幸せになることだけ考えているつもりなの?」

「麗亜さん、落ち着いてです!咲月さんは何も悪いことは……」
「命(みこと)、咲月のことを庇うのはやめて。今はなにも思い出せないかもしれないけど、分からないかもしれないけれど……咲月は貴方の恋人じゃないの。貴女は利用されているのよ。」

「私を…利用……?」

咲月さんが私を利用している…?麗亜さんの言葉についていけないのは私が馬鹿だから…?記憶がないから…?

「咲月、ちょっと話があるわ。命(みこと)、少しの間席を外すけど大人しくしていて。」
「でも咲月さんは……」

「お願いだから言うことを聞いて!」


「その間、僕が彼女の面倒を見る。」


その言葉と共にドアの方を見ると知らない男の人が立っていた。



この人は…誰…?


「かつ…」


「僕は如月といいます。初めまして、長月命さん。」



この人は……なんで私の名前を知っているの…?私はなにも知らないのに。



「わかりましたわ…如月さん、命(みこと)をお願いします。」
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