拾ったワンコは獣人でした。~イケメン獣人に求愛されて困っています。~
嫉妬※
『今日は、会えて嬉しかった。
俺、やっぱりお前のことが好きだ。
このまま終わりにしたくない。
ちゃんと会って話がしたい。
今夜10時、いつもの公園で待ってる。』
純也からのメッセージを見て、私の思考が固まる。
(……は? 今更、何を言ってるの?
百合と浮気してたのは、純也でしょ。
私よりも百合を選んだんじゃなかったの?
……っていうか、卒業したら結婚するとか話してなかった??
百合と付き合ってて、私にこんなメッセージを送ってくるなんて……)
ふつふつと湧き上がる怒りが、私のスマホを握る手を震わせる。
(……馬鹿にしてるとしか思えない!)
「行くわけないでしょ、ばか男っ!!」
私は、思わず叫び、持っていたスマホをベッドの上に投げ付けた。
「ファム、どうしたんだ。大丈夫か?
……それ、何て書いてあったんだ?」
コウヤが心配そうな表情で、私の顔を覗き込む。
(そっか、コウヤは、日本語が読めないのか……)
ほっとしたような、少し残念なような、そんな気持ちになる自分に驚く。
私が答えないでいると、コウヤは何かを察したように少し怖い顔をして言った。
「今日、公園で会った男からか」
「え、どうして……字が読めないんじゃないの?」
「なんとなく。俺の鼻は、よく効くんだ」
”勘”ではなく”鼻”と言うところが<#獣人__ベスティアン__#>らしい。
「あの男は、ファムと一体どういう関係なんだ?」
私は、コウヤに話すべきかどうか迷ったが、
今は、誰かに話を聞いてもらって、スッキリしたい気分だった。
「……昔、付き合ってたの。学生の頃に。
でも、うまくいかなくて、卒業前に別れたのよ。
それ以来、ずっと連絡もなかったのに、なんで今更……」
「付き合ってたって……そいつは、ファムの#番__つがい__#だったのか?
でも、今日あいつは、他の女と一緒だった。
……今もファムは、あの男のことが好きなのか?」
「まさか!
この世界では、くっついたり、別れたり……浮気したりなんて、日常茶飯事なのよ。
一生でたった一人の相手とだけ添い遂げるなんて、そっちの方が珍しいわ。
コウヤの世界とは違って、この世界の愛って、ほんと薄っぺらい……」
自分で言いながら、私は、気持ちが急に落ち込んでいくのがわかった。
今更だけど、あの時、純也と別れると決めた私の愛も薄っぺらいものだったのかもしれない。
そう思うと、何故だか無性に悲しくなった。
「ファム……」
コウヤが目を細めて私を見る。
<獣人>は、生涯ただ1人だけの相手と死ぬまで連れ添うと言っていた。
コウヤから見たら、今の私は、一体どんな女に見えているのだろう。
「私のこと、軽蔑したでしょ?
コウヤが思うような、綺麗な女じゃないよ、私……。
はは、コウヤの世界が羨ましい……」
「軽蔑なんかしない。
ファムは、本当の愛を知らないだけだ」
「え……」
「俺が教えてやる」
コウヤの黄緑色の瞳が近づいてきたと思ったら、私は、コウヤに唇を塞がれた。
深く、息も出来ないほど力強い口付けだった。
コウヤの舌が私の舌を絡め取る。
「んっ......」
私は、抵抗できず、そのままコウヤにベッドの上へと押し倒された。
俺、やっぱりお前のことが好きだ。
このまま終わりにしたくない。
ちゃんと会って話がしたい。
今夜10時、いつもの公園で待ってる。』
純也からのメッセージを見て、私の思考が固まる。
(……は? 今更、何を言ってるの?
百合と浮気してたのは、純也でしょ。
私よりも百合を選んだんじゃなかったの?
……っていうか、卒業したら結婚するとか話してなかった??
百合と付き合ってて、私にこんなメッセージを送ってくるなんて……)
ふつふつと湧き上がる怒りが、私のスマホを握る手を震わせる。
(……馬鹿にしてるとしか思えない!)
「行くわけないでしょ、ばか男っ!!」
私は、思わず叫び、持っていたスマホをベッドの上に投げ付けた。
「ファム、どうしたんだ。大丈夫か?
……それ、何て書いてあったんだ?」
コウヤが心配そうな表情で、私の顔を覗き込む。
(そっか、コウヤは、日本語が読めないのか……)
ほっとしたような、少し残念なような、そんな気持ちになる自分に驚く。
私が答えないでいると、コウヤは何かを察したように少し怖い顔をして言った。
「今日、公園で会った男からか」
「え、どうして……字が読めないんじゃないの?」
「なんとなく。俺の鼻は、よく効くんだ」
”勘”ではなく”鼻”と言うところが<#獣人__ベスティアン__#>らしい。
「あの男は、ファムと一体どういう関係なんだ?」
私は、コウヤに話すべきかどうか迷ったが、
今は、誰かに話を聞いてもらって、スッキリしたい気分だった。
「……昔、付き合ってたの。学生の頃に。
でも、うまくいかなくて、卒業前に別れたのよ。
それ以来、ずっと連絡もなかったのに、なんで今更……」
「付き合ってたって……そいつは、ファムの#番__つがい__#だったのか?
でも、今日あいつは、他の女と一緒だった。
……今もファムは、あの男のことが好きなのか?」
「まさか!
この世界では、くっついたり、別れたり……浮気したりなんて、日常茶飯事なのよ。
一生でたった一人の相手とだけ添い遂げるなんて、そっちの方が珍しいわ。
コウヤの世界とは違って、この世界の愛って、ほんと薄っぺらい……」
自分で言いながら、私は、気持ちが急に落ち込んでいくのがわかった。
今更だけど、あの時、純也と別れると決めた私の愛も薄っぺらいものだったのかもしれない。
そう思うと、何故だか無性に悲しくなった。
「ファム……」
コウヤが目を細めて私を見る。
<獣人>は、生涯ただ1人だけの相手と死ぬまで連れ添うと言っていた。
コウヤから見たら、今の私は、一体どんな女に見えているのだろう。
「私のこと、軽蔑したでしょ?
コウヤが思うような、綺麗な女じゃないよ、私……。
はは、コウヤの世界が羨ましい……」
「軽蔑なんかしない。
ファムは、本当の愛を知らないだけだ」
「え……」
「俺が教えてやる」
コウヤの黄緑色の瞳が近づいてきたと思ったら、私は、コウヤに唇を塞がれた。
深く、息も出来ないほど力強い口付けだった。
コウヤの舌が私の舌を絡め取る。
「んっ......」
私は、抵抗できず、そのままコウヤにベッドの上へと押し倒された。