敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

「美来、リビングはこっちだ」
「お邪魔します」
「ちょっと言ってみただけじゃん。それより、おもしろいものがあるから見てってよ」

 頭の後ろで手を組んだ隆多さんも、私たちの後をついてくる。

「おもしろいもの?」
「そう。CGでつくったホテルの完成予想図」
「わぁっ、見たいです!」
「でしょー?」

 隆多さんと一緒になって子どもっぽくはしゃぐのを叶多くんに苦笑されつつ、ご両親の待つリビングダイニングへ。

 生活感を抑えたスタイリッシュなインテリアの室内では、お義父様とお義母様が協力してテーブルに料理を並べているところで、私たちの姿に気づくと手を止めて歓迎してくれた。

 お年賀の品を渡し、シンプルな黒のダイニングセットで食事を囲む。

 八束家では和風のおせちを食べたけれど、城後家は色とりどりのオードブルやローストビーフなど、洋風のご馳走がテーブルに並んでいる。

 すべてお母様のお手製だそうだ。

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