敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

 叶多くんの指摘にいったん「そうだよね……」と肩を落としたものの、お父様の言葉でまた期待に胸が膨らんだ。

 神妙に考え込む彼の横顔を覗いて、自分の意見を伝える。

「三年半、子どもが四歳になる前くらいよね。海外挙式なら、それくらい落ち着いた年齢の方が飛行機にも乗せやすいし、ちょうどいいんじゃない?」
「美来の花嫁姿が早く見たいという欲望もあったが、確かにそうだな。それくらい時間があれば結婚式の準備も十分に整うだろうし……なにより美来の目がもう〝スペインで結婚式を挙げたい!〟って訴えてる」

 笑いながら言われて、「えっ」と自分の顔を両手で挟む。ご両親も微笑ましそうに私を見つめていて、恥ずかしいことこの上ない。

 その時、隆多さんが不意に席を立つ。

 なにげなく目で追っていたら、リビングのテーブルに置いてあったタブレットを手に戻ってきた。

「美来さん、見て。チャペルのイメージ」
「わ、素敵……」

 差し出されたタブレットの画面には、建設予定のチャペルのイメージ画像が表示されていた。

 青空に映える真っ白な外壁は地中海リゾート風で、チャペル内の華やかなステンドグラスや、内部に花が敷き詰められたガラス張りのバージンロードはとてもロマンチックだ。

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