敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
その日も夜の授乳を終えて翼を寝かしつけてすぐ、ベビーベッドのあるリビングのソファで彼に求められた。
キスをしながら軽く体を弄られただけで、私の体はすぐに熱くなる。子どもを産んでからも変わらず女として扱ってくれる彼のおかげで、性欲の減退などもとくにない。
もちろん、翼が泣いたら即、母親スイッチに切り替わるけれど。
「あっ、ん、叶多くん……」
「かわいい……美来。もっと感じて、俺の愛」
「ん、いっぱい、ちょうだい……っ」
声を潜めながら甘い会話を交わし、一緒に体を揺らす。体中多幸感に包まれ、叶多くんへの愛おしさが募る。
時々翼が泣き出して中断することもあるけれど、そうすると翌日はさらに激しく求められるので、どちらの場合も幸せに違いなかった。
充実した日々は駆け抜けるように過ぎ、翼が三歳になった年の夏、とうとう結婚式を挙げる日を迎えた。
翼が時差やスペインの気候に多少慣れるよう、式の三日前にスペイン入りし、当日までは家族三人でのんびり過ごした。