そのギャップは、恋の始まり!?
 『高校デビュー』なんて言葉あるけど、キャッキャウフフしてる子たちの専門用語だとさえ思えるんだから、私に恋はやっぱり無縁だ。

「亜美、アンタ今日は家にいるんじゃなかったの?」

 姉が不思議そうに私の方を見て話しかけてきた。私だってそのつもりだった。宿題を終わらせたかったから、家にいる予定でいたのに。

「うん、いるつもりだったけど……プリントを昨日学校に置いてきちゃったみたいで」

「えっ、もしかしてわざわざ取りに行くの?」

 ちなみに、姉も敦くんも私と同じ高校に通っている。

「そうだよ。じゃないと、出来ないもん」

「そりゃそうだけど、わざわざそれだけのために制服着て学校へ行くとか律儀だね~」

 まだ入学して2週間くらいの私に、私服で学校へ行けというのだろうか。そんなこと出来るわけがない。姉ならやってそうだけど。
< 4 / 30 >

この作品をシェア

pagetop