チャラモテ先輩に、めちゃくちゃ溺愛されてますっ!
「へいへい。悪ぅございましたよ。今日から心を入れ替えて、真剣に勉強をさせていただきます。
―っと、ねぇねぇ、妖精さんは、なんの勉強をしているの?」
中ノ瀬先輩に「しー」と言われているのも意に介さず、机に身を乗り出して、朝陽くんは妃莉先輩に話しかけた。
朝陽くん、妃莉先輩のこと、“妖精さん”って呼んでるんだ。
確かに、“妖精さん”って言いたくなるぐらいの可憐さで可愛くて、今日もお人形さんみたい。
思わずジッと見つめた視線の先で、妃莉先輩が朝陽くんに向かって言った。
「世界史です。妃莉、ひたすら暗記をしてるんです」