貴女は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
生徒会室の扉が軽くノックされて、殿下がお応えになる前に扉は開かれたのです。
何故なら、今は授業中なので儀礼的にノックをされましたが、部屋の中には誰も居ないと思われて開かれたのでしょう。
入り口からは正面に殿下がお座りになっている生徒会長の机があり、私はその前に立っておりました。
目の前の殿下のお顔が大きく歪んだのが見えて、私は振り返りました。
扉の外からこちらを見ていらっしゃったのは。
クロエ様でした。
「お取り込み中でしたのね、申し訳ございません。
忘れ物を取りに来ただけなのです」
クロエ様はそう仰せになり、学院内ではしないであろう最上級のカーテシーを殿下に向かってなさいました。
何故なら、今は授業中なので儀礼的にノックをされましたが、部屋の中には誰も居ないと思われて開かれたのでしょう。
入り口からは正面に殿下がお座りになっている生徒会長の机があり、私はその前に立っておりました。
目の前の殿下のお顔が大きく歪んだのが見えて、私は振り返りました。
扉の外からこちらを見ていらっしゃったのは。
クロエ様でした。
「お取り込み中でしたのね、申し訳ございません。
忘れ物を取りに来ただけなのです」
クロエ様はそう仰せになり、学院内ではしないであろう最上級のカーテシーを殿下に向かってなさいました。