貴女は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
だから、ふたりで組んでヒカリを潰そ?
あの女を潰した上で、敢えて私はお飾り妻になるの。

ヒカリを排除してから、リシャールの部屋に貴女を送り込んであげる。
盛りのついた年頃だから、私には何も出来ない彼はヤるだけならと、必ずヤる。
そして私はそれを目撃して大騒ぎしてあげる。

妊娠しやすそうな日を選んで決行しましょうか。
婚姻する前に妊娠発覚すれば、貴女は愛妾に。
私は『白い結婚』のお飾り王太子妃に。
そうしよう?
その間に絶対にアンリをその気にさせてみせるから。
私の真の攻略対象者は、彼ひとり。


「私は悪役令嬢よ?
 悪役が素敵な王太子殿下と結ばれてはいけないでしょ?」

ブリジットは胸を張ってそう言いきる私を、空色の瞳で呆けたように見上げている。
これから先を考えると、テンションが上がってくる。


ねえ、ブリジット。
私は悪役令嬢の新しい物語を綴りたいの。
何度も、何年経っても、人々の記憶に残る悪役令嬢の称号に相応しく。

私は微笑めているかしら?


  fin.
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