無自覚なお姫サマ
あの時空じゃなくて僕だったら空はこんな風にはならなかった。僕のせいだ

あのとき男先輩方に呼び止められて帰りがおそくなってしまっていたのだ。

僕はモテる、だからそんな僕がうざくて堪らない先輩達はこうして僕を呼び出して殴りかかる。まぁ返り討ちにするけど。

だけのこの日は空といればよかったんだ
今でも忘れられない。あの時の空。

今度は絶対守る。
だって僕と空は一心同体だもん。
後にも先にもぼくと空を区別する人間なんていない無理だ。と

でも違った。莉央ちゃんは違った。
僕と空を見分けた初めての子
それも簡単だと言ってくれた。

「、、、海。おいで。」

優しく僕を呼んでくれる莉央ちゃん。
でも空がいるのに僕は、いけない、
と立ち尽くしていると空と一緒に莉央ちゃんが僕の元に来てくれた
ぎゅっと空と僕を抱きしめてくれた

「海。大丈夫。怖くないよ。」

「僕、なんも出来なくて、また空を怖がらせちゃって何もできない、ごめ、」

うっとなりながら涙が溢れ出てくる。

「何もなんて事ないよ。海も女嫌いなのに自分
から接してたもんね。空を守るために
空の1番近くに居たのが海だよね。自分も怖い
のに一生懸命たたかったもんね。偉い。

でも海。もう我慢なんてしなくていいんだよ。
怖かったら逃げていいの。もう十分たたかった
んだよ。」
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