フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー

＝雑食系集う⑩＝



『まあ、この中の何人かは、”それだけじゃあ、何を以って選択するんのかはっきりしないんだけど…”、と疑問に思った人もいたでしょう。でも、私へそれを尋ねた人は誰もいませんでした』


”しまった…”


そう顔に書いてある生徒が少なからずいた…


『そして皆さんは、正確には４つの選択に別れて態度を決したんですよね。まあ、いいやって‥。たぶん、そんなところだろうと思っちゃいます…』


この辺りでクラスの大半は、すでにナナボシ先生の言わんとしていることを察している様子だった


”なーるほど、そう言うことだったんですね…、先生！”と…


＊＊＊



『もちろん、この選択が、自分たちの暮らす社会の形を作る選挙の投票（＝態度決定）としてはいませんよ。でもね…、どんな時も自分の態度を決する際は、安易な思い込みでやり過ごさない習慣を今のうちから意識してもらいたい…。それが先生の願いです』


”はーい…”


一部から返事が返ってきた


『それでは、最初の問いかけであえて”省いた部分”を加えますね』


一同は皆、身を乗り出さんばかりにナナボシ先生の言葉を待った…


＊＊＊



『私は社会を受持つ教師として、皆さんには中学２年の今のうちから、人が幸せに暮らせる社会像をしっかり考えてもらえる人間になったもらいたい…。そんな思いをいつも感じていました』


ー全員、真剣な眼差しを先生に向けるー