フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=とりあえずとす…④=




『そう…。かなりイレギュラーだけど、みんなが話し合ってってことなら、あなたと横上君の”共同代表”は認めましょう』


「ありがとうございます。それで…、この報告書にも書いてますが、当面、私らの集まりには先生も同席して欲しいんです」


『まあ、あなたの言う主旨はわかりますが…。あくまでその場の討論に余分な目が加われば、かえって自由な意見が出にくくなるんじゃないかしらね…』


「ですから、先生には少し離れたとこで待機してもらって、何かもめるようであればお願いします。最初の数回でいいんです。何しろ、雑食系の7人は代表を決めるだけでえらく難航しましたから」


『まあ、そうねえ…。他に比べると人数は少ないけど、アクの強い人が集まっちゃったみたいだしね(苦笑)』


ナナボシ先生は笑う時もアニメ調(?)だった


***


「私もでしたが、先生からの二者選択にも他のグループみたいには、すんなりどっちかに収まるってことはことはしなかった訳で…。実際の議論の場となれば、簡単にはまとまりがつかないと思うんです。やっぱり…」


『なら、わかったわ。何にしろ、みんなが自主的に積極的に考えてのことなら意義のあることだし。メンバーには同意したと伝えていいですよ』


「すいません、先生…。それで、一応、行き違いがないように、この要望書に了解のサインをいただけますか?」


『まあ…、なかなかしっかりしてますね、あなた』


ナナボシ先生は、珍しく目をまんまるにしていた


”やった…。これで錦の紋所を得たわ。みんなにはラインで送ってやるわよ!”


折原末樹は目をぎらつかせて、心の中でそう宣言するのだった






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