フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=とりあえずとす…⑦=



だけれども!


末樹は全くたじろがなかった…、のであった


「勝手なのはあなたたちの方でしょ!私は、あとヨロシクって”委任”されたから、グループ内のためを思って苦肉の策をとったまでよ」


「なによ、グループの為って!」


芽路奈がさっそく問いただしてきた


「互選中のみんなの無責任極まりないあの姿勢・態度じゃあ、私が代表になっても正常な討論をこなせないっての!いい⁉…この課題はグループ全員が揃わないと、成立させられないのよ」


こんな4人の口論を横目に、由紀奈は窓のガラスを拭きながら、クスクスと笑っていた


***



「…遅刻常習犯のラッセルとコンボイはいるし、クズコは家庭の事情を持ちだしてたよね。日程だって私に適当に決めてとかって‥。それじゃあ、誰かが後から都合悪いって言ってきたらさ、全員出席のメドなんて立てられないよ」


ここで芽路奈は久珠子の方にチラッと顔を向けた


「…ならよ、当面は先生が同席ってくらいじゃないと、私だってみんなを出席させられるか心配になるでしょ。当たり前だって!…さっきみたいに、自分勝手で人に全部押しつけるんだもの、みんな」


「…」


2人は歯ぎしりしながら、末樹を睨みつけている…


***


「…そこで、全員が全回出席を誓うんなら、先生の同席、辞退してくるわよ。となれば、後出しじゃんけんで都合が悪いって言わせないために、全員が揃った時に次回の日程を組んで、それで、全員出席を宣誓する。むろん、体調壊したりとか、それこそいろんな事情で急きょ欠席はしょうがないわよ。どうなの、ナツメロとクズコは?」


末樹が滑舌よく二人に迫ると、先ず芽路奈が答えた


「わかったわ。私としては、当面、先生立会いで了解するわ」


「うん。じゃあ、クズコは?」


「私も先生同席でいいわよ」


「ありがとう。なら、あなたたち二人はラインで伝えた日程で出席。そういうことでいいよね?」


二人はしぶしぶという表情ではあったが、揃って頷いた


”さあ、今度はりゅーじんだ!”


末樹はすでにエンジン全開であった






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