フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=とりあえずとす…⑨=




「正直言って私…、自信なんてないよ。みんなをまとめるの…。私としてはあなたにやってもらいたい」


末樹は咄嗟ではあったが、流二へストレートに切り出してみた


しかし、それを受けた流二からは変化球が返ってくる


「折原…、お前、今できたじゃん。女子二人を説得し、残りはオレ経由で言質とった。全員参加を取りまとめたんだ、お前がさ」


「え…?でも…」


ここでも末樹はやや腰を折られた形であったが…



***



「ならさ、こんなんでどうだ?お前の代表をオレもフォローする。だけど、あくまで代表は折原がやる。言わばサブ役ならオレがやるよ。当然、オレの肩書きに共同代表はない」


「でも、それならおんなじだと思うけど…。共同でも…」


「オレ的には違うんだ。ここはこだわりがあるんでさ。どうだ、折原」


「わかったわ」


末樹はその後に”あなたを信じるから…”という言葉が、喉まで出かかったところで飲み込んだ



***


その後、学校からの帰宅途中…


末樹は通り沿いのファーストフード店で由紀奈と寄り道をした


「わー、次はラッセルだわ…」


「なんだってー、あの暴れん坊のアンサーは~~?」


正面の由紀奈は半腰になって、末樹のスマホを覗かんばかりだった


「ええと‥、”りゅーじんからの用件、了解した。日程はちょっと微妙なんで、数日待ってくれ…”だって」


「ちょっと…、これで男子三人、全部クリアじゃん‼横上君って、あの重戦車コンビも説き伏せちゃうんだー。スゴイねー💛」


「うん…。まさかこんなスンナリとはね。意外だったかな…」


「だよねー、あのラッセル&コンボイだもん。フツーの奴じゃあ、尻込みしちゃうっしょ」


”確かに…。どんな言い回しで彼らに当たったんだろう…”


末樹は単純にそんな興味を募らせるのだった‥






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