フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=仲間ということ④=




『…そうなのよ。二人の主旨は、敢えて最初に違うグループと忌憚なく意見をぶつけ合って、それから各グループ内で議論を深めていきたいっていう提案だったんですけどね…。それは却下しました』


「はあ…」


『この長期課題はあくまで、ひとつのテーマに各グループがじっくりと議論を経て、それそれの結論を導くことを目的にしていますから。座談会のノリで意見交換してもらうのとはねえ…、似て非なるものなんです』


末樹には先生の言ってる意味が理解できた


ただ、二人の申し出案には”なんで?”であった



***



『このことは、もう一つのグループの代表ってことで、折原さんの耳には入れておきます。本来なら、雑食グループも含めてじゃないと、あの二人の主旨は矛盾しますよ。でも、認めなかったのは、それ以前の理由からです。そう言うことで理解してて下さいね』


「はい、わかりました」


ナナボシ先生はにっこりと笑っていた



***



教室内に戻った末樹は、由紀奈にナナボシ先生から聞いた話を確認した


「あれさ、”ラブラブ二人”の間で盛り上がった案でさ、私ら二グループの”外野”は別にどっちでもってとこだったんで。まあ、先生の言うこと正論だし、末樹もスルーでいーんじゃない?」


”やっぱ、荒川さんと中谷さん、そういうノリだったのね。でも…、二人も二人だけど、由紀奈たちもここまで無関心って…”


末樹はすでに、明後日となった最初の議論の場を想定して、色々と思いを巡らせていたのだ


なので、他のグループの”このモード”には、自然とギャップを感じていたようだ


既にスタート地点で






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