フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=マッキの本気③=




「ひょっとして…、この前の金曜の予定だった用かな?」


「マッキ、ヤツの予定はさ、今後もなるべく優先してやってくれな」


「コンボイ…」


この時は、マッキもりゅーじんも、それ以上はコンボイに聞かなかった…



***


「マッキ、お前…、誰かに嫌がらせ受けてないか?」


「えー?何よ、急に」


「いや、こうして教室で堂々と共同作業だからよう、あらぬ中傷が耳に入ってるんじゃないかとね…」


りゅーじんは原稿のチェックをしながら、マッキには顔を向けずにさりげない口調だった


しかし、マッキにはピンときた…


***



「…りゅーじんっちの病院でウワサってこと?」


「昨日、おふくろが内科の待合で聞きかじったらしいや。”おたくの坊ちゃん、お勉強できるらしいわね~。毎日、可愛い女生徒さんに社会科、教えてるらしいわよ~”とかって‥」


「ぷっ…。ああ、ゴメン。つい、りゅーじんのオバサン言葉うまいんで、おかしくなって」


「そりゃ、オバン語も上達するって。毎晩のように、壊れたテープレコーダー状態で聞かされてんだもんよう。夢にも出てくるんだ。たまんねーわ」


「そうか…。ああ、でも今んとこ、私の身の周りは何もないかな」


「うん…。なんかあったら、知らせろな」


この時はマッキの顔を見ながらだった


”あの顔、結構マジって感じだった…。気のせいかな…”






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