フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=マッキの本気⑤=




『まあ!早かったですね。3グループで一番乗りが雑食系さんとはねえ…。出だしがゴタゴタしてたみたいだったから意外でした』


「はあ…。中身はどうだかですが、私らなりにはってとこではあります…」


ナナボシ先生は早速、マッキ&りゅーじんの”共作”に目を通している


”フンフン”とリズムをとり取りながら


***


『…折原さん、この報告書いいわよ!討論の中身も濃いわ。できたら音源も聞きたいですね。ボイスレコーダーのデータ、預かれないかしら?』


「では、メンバーの了解を得た上でお持ちします。たぶん大丈夫だと思いますので」


『よろしくお願いしますね。この後も、頼みますよ、折原さん!』


ナナボシ先生は座ったまま、マッキの両手を握りしめた


「先生…」



***



『実はね…、文科省がこの長期課題に注目してくれてて…。ぜひ、今年の成果を参考にしたいと申し入れがあったんです」


”もんかしょー?ウソでしょ…”


『…私としては二クラスのうち、いずれかの成果報告を提供したい気持ちではいます。…あなたのグループには期待してますから。頑張って!』


「はい…、まあ、頑張ります」


マッキにはこの程度の言葉しか出なかった



***



”ふー、びっくりした…。まさか文科省って…。まあ、私たちはやれるだけのことやるしかないし‥”


そして昼休みが間もなく終わる頃、マッキが教室に戻ると…


「マッキ!」


「ああ、ナツメロ。今、ナナボシ先生に報告書出してきたよ」


「うん、ご苦労様。あのさ…、今2Bの友達から聞いたんだけど、クズコ、家取られちゃうんだって!」


「えー?ちょっと、それ、どう言うことよ!」


マッキにはナツメロの言ってる意味が理解できなかった…






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