フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=マッキの本気⑧=



「まあ、待てよ…、二人とも。3年が出てきて今騒ぎを起こしたら、かえってクズコを晒すようなことになるって」


「なら、りゅーじん…、仲間がこんな仕打ち受けて、何も手を打たずに見て見ぬフリってか?どうせ、学校側は通り一遍の対応で終いさ。なら、ここは行動あるのもだろうが!」


「ラッセルの言う通りだ。ここは黙ってられねえーんだよ!」


「待って…。きっと、りゅーじんには何か考えがあるのよ。そうでしょ?」


この時マッキは、りゅーじんに対する”様々なこと”が脳裏に浮かんだ


そしてまず、彼に委ねることを試みた


”ここは、まず彼の考えを聞いてみないと…”


***



マッキの問いかけに、りゅーじんは少し間をおいてから、みんなに語りかけるように話し出した


「この情報の出元、ウチの病院…、厳密には、おふくろの口だよ」


「!!!」(その場の全員)


皆は唖然となったが、マッキだけはどこかそんな予期も頭の隅にあったようだ


「…みんなもさ、ある程度は承知してるかもしれないけど、横上総合病院のロビーとか待合な…、その手のウワサ話の震源地なんだ。それで、”去年からのおふくろ”が更に拡散してる。息子のオレにもな。それこそ見境なく尾ひれ背びれ付きで…」


ここまで聞いて、皆は”概ね”を把握したようだった


そして、一様に沈痛な顔つきになって黙り込んでしまった


その場には、何とも重苦しい空気がのしかかっていた


どんより雲を伴って…








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