フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=マッキの本気⑪=



ラッセルの”呼びかけ”には全員が呼応した


もっとも、マッキだけ涙交じりの意思表示ではあったが…


「どうした、マッキ?」


隣で座っていたナツメロが、涙を拭うマッキの肩へ手を回し、彼女の様子を気遣っていた


ちなみに、夏本芽路奈の”こういた絵柄”はめったに見ることのできない希少シーンでもあったのだ…



***



「…なんだか、私、嬉しくって…。こんな気持ち初めてだったから…。仲間をみんなで気遣って、一生懸命、知恵を出し合って…」


ここでマッキの涙は本降りとなった…


そんな彼女へ、仲間たちは包み込むような視線を優しく投げかけている…


みんなは同じ思いだった


マッキの流す涙…


それは本気の涙だと



***



「仲間か…。ありふれた言葉だが、何か新鮮だ」


小声で独り言のようにそう漏らしたのはラッセルだった


そして今度は、そのラッセルがいつもの豪快な口っぷりに戻して皆に言い放った


それは”ある提案”だった



***



「なあ…、いっそ、マッキにはりゅーじんと一緒に行ってもらったらどうだ?クズコの仲間…、オレ達を代表しての立場でさ…」


「ラッセル、あくまで仲間の代表ってか…?」


「そうさ、コンボイ。りゅーじんがどういう収め方を描いてるかはわからないが、クズコを思う仲間としてって発信できれば、相手だって、分かってくれると思うんだ。やっぱ、りゅーじんが単独だと、向こうだって怯えるとか構えるとかになるだろうしな」


「賛成です、僕は。その際、マッキには雑草グループの代表じゃなくて、その集まりを通じた”ナカマ”の代表で、りゅーじんと共同作業、よろしくですよ」


デスオの補足提案に、皆の表情はなんとも感慨深げであった…





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