フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=仲間たちの行動③=




「…認める」


しばしの沈黙のあと、永井亜衣はポツリとそう答えた


「潔く認めてくれてありがとうございます、先輩…」


「それで…、私に何を求めると言うの?…あなた達が彼女の友達だってことはわかったけど、学校の先生からはもう厳重注意受けて、反省と謝罪を伝えたわ」


「それ、学校を通してですよね?」


「当然じゃない。学校側からは直に接触しないようにって申し渡されたし。これ以上、どうにもできないわ」


ここで永井亜衣は顔を紅潮させ、語気を荒げた


マッキはりゅーじんを心配そうに、じっと見つめている‥・


***


しかし、りゅーじんに動揺はなく、至って平静だった


「オレ達も学校側がどう対応するかなんて、よくわかってますよ。だからこそ、クズコの”仲間”である自分らが動いてるんです。学校を通して先輩の謝罪が彼女に届いても、はっきり言って気休めです。当人からすれば。もっと言えば、謝罪の気持ちなんて伝わりませんよ、全く」


「なら、どうしろって言うのよ、私に…」


「同じ反省と謝罪の気持ちを、ここでオレ達二人に示してください。それを彼女に”持って”行けば、仮に同じ言葉や伝言でも、学校の先生とかから聞くのとは全然違いますから」


「私直接じゃなくていいのね?」


「そこまでは要求しませんし、できませんよ。土台、中学生ですから、自分らは…。ただ、簡単でいいですから、事実を認めたことと謝罪の言葉を文面にしてください」


「書面…、それはちょっと…」


彼女は俯いてしまった…


***



「先輩、今回はオレんとこの出所ってのが元々なんです。ですから、自分も彼女には謝るつもりです。”全体”が見えてるからこそ、オレから仲間であるクズコにはきっちりと伝えられます」


この間、マッキは見守るような顔つきで、視線は二人を何度も往復させていた

そしてしばしの沈黙の後…


「…それで彼女の気が済むのであれば、いいわ。返ってお願いする」


永井亜衣は若干、目が潤んでいた




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