フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=仲間たちの行動④=




「…わかった。じゃあ、クズコへの説明にはマッキとオレでってことでな。うん…、この足で寄ってくるわ」


3年の永井亜衣と別れた後、りゅーじんは早速、他の仲間に報告を済ませた


「…マッキ、ラッセルがみんなの了解を取ってくれてさ。永井さんからの話を伝えたら、クズコへはオレ達二人に任せるってことだ」


「そう。じゃあ、これから行く?」


「ああ。この時間じゃあ、学校側とバッティングするかもしれないし、どうかなと言ったんだが、ラッセルのヤツ、そんなもん構うことねえってさ。まったくなあ…(苦笑)」


思わずマッキもクスッと笑いを漏らしていた



***



二人は校門を出て、クズコの家へ向かった


”さっき”と同じように並んで…


マッキの右にはりゅーじん、左側からは西陽…


彼女は、このポジションがすっかりお気に入りになってしまったようだ



***


「幸町通りのはずれだから、歩いて15分ってとこか…。斜向かいにコンビニがあるから、すぐわかるだろう」


「コンビ二が目の前なら便利ね」


「不動産業者からしたら、”ポイント”高いのかもな…」


マッキは屋上での永井亜衣とりゅーじんの会話を思い出した


***


「…でも、永井先輩はさ、両親がその手の話をしてるのを聞いて、興味本位で友人や後輩につい話しちゃたってとこでしょ?」


「彼女はそんなとこだろう。でも、あの人の両親は、さっき言った喫茶店で情報を買って、商売に結びつけてるんだ。永井先輩もおそらくそのことを薄々でも気づいてると思う」


「ふう‥。何だかため息が出るなあ、そういうのって」


「…その情報売ってる連中の情報源こそ、ウチの病院だよ。しかも、”今の”おふくろは間接的に情報を売ってる。たぶんな…」


「りゅうじん…」


マッキは思った


”彼は今の…、3人目になる血のつながっていないお母さんに、どう対処するべきか迷ってるんだわ。それで、いつも苦しんでる…”






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