フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=仲間たちの行動⑤=




「…でも私、結局何もできなかったね。全部りゅーじんが話しつけてくれて。なんか、いなくてもよかったんじゃないかな、私?」


「そんなことあるもんかよ。オレ一人だったら、永井さん、確実に立会人同伴だったぜ。男のな。B子にしたって、ああすんなりと先輩の名は口にしなかったはずだ」

ここでのりゅーじんの口調は毅然とていた


そして、”それ”はマッキにしっかりと伝わっていた


それでも…


「そうかなあ…。さっきの永井先輩もそうだけど、2BのM子さんの時だって、ただりゅーじんのとなりに立ってるだけだったし」


「それだけで、あの二人からしたら警戒心をほぐせたんだよ。二人と実際に面と向かってて、その辺、オレにはよく伝わったしな。ラッセルのマッキ同行提案は的を射てたよ」


「うん…。まあ、わかった…」


りゅーじんはマッキに顔を向け、やや笑みをこぼしていた

いや、送っていた...?


***


クズコの家はすぐに訪ね当たった


そして彼女は在宅していた


「…まあ入ってよ、二人とも…。親はいないし、私一人だから」


マッキとりゅーじんは、2階にある彼女の部屋へ通された



***


「狭いけど、そこ座って」


「ああ、じゃあ、ここで…」


二人はフローリングの床へ腰を下ろした


ここでも並んで…


「ラッセルからはさ、メールでアンタ達が来るって知らせてきてたから。まあ、用件も大体はね…」


「ああ、それならな。オレとマッキは仲間を代表してきた。同じ仲間のお前が心配で」


「うん、突然帰っちゃったからね。家に着いたら先生が電話してきたんで、事情って言うか、いきさつは話したよ。で、学校側も動いてくれたみたいね」


「学校側からはその報告、もう受けたのか?」


りゅうじんは少し迷ったが、敢えて”そこ”を先に確認することにした






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