フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=仲間たちの行動⑥=




「まあ、一応ね。でも、全部匿名だったわ。それで、悪気はなくつい何人かに喋って、あちこち広まっただけだから、あまり気にせず明日は学校に来なさいって」


”やっぱり、そんなとこなのか…”


”まあ、こんな程度だろうよ、学校の対応は…”


マッキもりゅーじんも、ほぼ同じ受け止め方をしていた


「…なんだか、学校に来させることだけに目が行ってるって感じよね。学校側は一応”調べた”、”動いた”っていうアリバイ作りと、私と家族へのガス抜き程度って態度がヒシヒシ伝わってきたわ。予想はしてたけどね(苦笑)。味気ないもんよ、先生のフォローなんて。まあ、明日は学校行くけどさ」


「…」

マッキとりゅうじんはいきなりクズコが”多弁”だったので、ややあっけにとられた顔つきになっていた


***


「どうしたのよ、二人とも。私がどっと落ち込んで涙にくれてるとでも思ってたの?」


「そりゃあそうよ。クズコが教室飛び出す現場にいたナツメロの話聞いたらさ、えらい心配しちゃったよ、私たち。ねえ、りゅーじん」


「ああ。でも、元気に越したことはないしな。はは…」


「無論、みんなの視線をああまで浴びれば辛いわよ、私だって。たぶん、あのままずっと教室にいたら、泣き出しちゃったかもしれない。だから、ここは変に我慢などせず、さっさとエスケープってとこだったのよ」


「クズコは強いな…」


「ホントはいつもギリギリよ。私の見かけでそう思えるのかもしれないけど。もうすぐ、ここの家追いだされるんだし‥・」


「クズコ…。親の事情で今の状況ってのはさ、本来、オレら子供間では持ちだすべきことじゃないよ。でも、仲間がそれを晒される被害に遭ったのを知ったらさ、オレらは黙っていられなかった…」


りゅーじんはここで一気に切り出した






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