フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=知恵と友情と反発と⑦=



マッキとりゅーじんが職員室の前に着くと、ナナボシ先生は”そこ”にいた


窓側の壁に背をもたれて立っていた先生は、二人に気づくと満面の笑みを浮かべている


持ち前のアニメ調(?)で…


「先生、こんにちわ」


声に出しての挨拶はマッキ、その後の軽いお辞儀は二人揃ってだった


「あら、今日は二人でお揃い?」


ナナボシ先生はさらりとそう言いながらも、頭の中ではその理由がすぐに浮かんでいた


”どうやら彼女たちの方からも、仙川さんの件を話すつもりみたいだわ…”


***


「はい。先生にはお願いとかお話がありまして…。私たち雑食グループ7人からの…」


マッキはりゅーじんに会釈をした後、ナナボシ先生にはまずそう告げた


「あら、そうなの…。実は、私からも2Aの雑食系グループの人にはお話したいことがあったのよ。今日は、このまま立ち話でもいいかしら?」


「はい…」


今度はマッキ&りゅーじんが声を合わせた


***


「じゃあ、まずこれをお返しするわね」


ナナボシ先生はマッキから預かっていた、第1回討論の音声データが入ったUSBメモリをマッキに手渡した


かわいい花模様のミニ・ビニールケースに入れた状態で…


「ありがとうございます…」


「折原さん、横上君…。第1回目、すごくよかったわ。次回への問題提議、いい目線だと思う。集団の中での中学生の自分たち…。身近な公と私の実際をたたき台にして、自分たちが幸せに生きる社会像をあぶりだす…。うん、まずはそこを2回目ではね…。頑張って」


「はい!」


「ああ、折原さん…、文科省の話はメンバーには言った?」


「いいえ。まだ…」


「そう。なら、2回目の前にみんなにも話しておいてくれる?私も”そういうこと”で、皆さんには期待してるともね」


ナナボシ先生はとびきりのアニメ声で、その笑顔を二人にずんと送った


で…、マッキ&りゅーじん二人にもずんと届いた…




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