フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=知恵と友情と反発と⑧=



「…それで、”お話”の方だけど」


「はい。実は、先生もご承知かと思いますが、私たちのグループの仙川さんが…、昨日…」


「ええ…。今朝の職員会議で大方、聞いたわ。大丈夫かしら、仙川さん…」


「はい…。今日はちゃんと学校来て、もう、7人みんなでは彼女のこと”クリア”なんです。昨日もこの二人で、グループの仲間を代表して彼女の自宅に行ってきました。ねっ…」


ここでマッキはりゅーじんにフッて、彼はそれを受けた…



***



「先生…、クズコの自宅が競売かかっててどうのってウワサの出元だった3年女子には、昨日のうちに自分らで直接、謝罪と反省の確認とったんです。その足で僕らは僕らとして、クズコに”持って”いきました。それで、昨日の件は終いってことになったんです。ただ…、なあ…」


りゅーじんは再びマッキにバトンタッチした


「先生…、クズコ、自宅が落札されること前提で、転居先はもう目途つけてるそうで…。それ、県外なんです。たぶん引っ越しは3月中だって言うことで…、私たち、今の長期課題、残り4回の討論には彼女の予定優先でこなすつもりです。でも…、最後の結果報告の際は、もうこの学校にはいないだろう…。そいうことなので、私たち…」


「…」


ナナボシ先生は、実際面食らっていた


二つの点で…


***


「それで今朝、7人が集まって話し合ったんです。何しろ、結果報告の授業には7人全員でないと意味ないということで。じゃあ、どうしたらいいかと皆で考えました。それで…。なあ、マッキ…」


りゅーじんとマッキは何ともなコンビネーションであった


「最終の結果報告会…、クズコにはスカイプを通じて参加してもらうことで7人は合意しました。なので、日程的なところも含め、先生には了承をもらいたいんです。いかがですか?」


「…」


ナナボシ先生はまだ、目をぱちくりさせて、アタマが整理できていないようだった


しばらくして、先生が大きく息をついて、答えた


***


「正直驚きました…。実を言うと、私も朝、仙川さんの昨日の件を知って、そのデータを返す時には彼女のことを折原さんに聞こうと思っていたの。やっぱり、こう言った事情となると、おうちを出ていくとになるだろうからって、気になったし。そしたら、雑食グループの長期課題を最後まで一緒にできない可能性もあるかなってね…」


”先生…!”


マッキとりゅーじんは口には出さなかったが、心の中で同じ言葉を呟いていた…






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