フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=雑食系集う⑧=



『そもそも、自分の態度を決めるには、何を問われてるのかを理解することが前提になりますよ。…今の選挙では、その上で一票を投じてるのか…。とても疑問に思うんです』


ナナボシ先生の話は益々シリアスになっていく


しかし、それでもアニメ声のままである…


***


『こと選挙となればですよ、”安易な思いこみ”で、もし、とんでもない人間を指導者にしてしまったら、取り返しのつかないことにもなりかねませんよ』


このあたりで皆、結構神妙な顔つきになってきた


ナナボシ先生はそんなみんなをひと通り確認している


『長々とお話してきましたが、ここで皆さんの選択に戻ります。ええと、あえて言いますね。皆さんの選択は、私の問いかけに対する態度表明ということになります』


ー一同、きょとんとするー



***



『私は皆さんに、”肉食系と草食系のどっちかを選択して、スタンスを決めて下さい”としか言ってません』


ー全員、無言でポカーンとなるー


『A君、あなたは先生がそれだけしか問いかけていないのに、どう捉えて肉食系を支持したんですか?』


「ええと、やっぱ、草食獣は肉食獣のエサになっちゃうし、強い方がいいし‥。それで、肉側を選びました」


『要するに、A君はどっちが好きか嫌いの問いかけと解釈したわけですね?』


「まあ、そんなふうに解釈したとは思います。…自分がどっちかに生まれるとしたら、強い方がいいので」


”では、もう一人いくわ”


ナナボシ先生、今度は草側に目をやった





< 8 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop