フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=雑食系集う⑨=




『では、草側を選択したBさんはどうだったんですか?』


「私は、肉食男子が苦手なので…。それで草側に付きました」


『あなたも一応、自分の好みを問われたと解釈ですね?』


「そういうことになります…。先生は、草食獣じゃなく、草食系って言葉でしたから。てっきり、人間のタイプかと思っちゃいました」


『二人はともに、自分の好みの度合いを基準にしてスタンスを決めたようです。でも、その二人にしても、私の”肉食系か草食系か”という同じ言葉を聞いても、A君は動物、Bさんは男の子でそれぞれ違った目線での選択ですよ』

AとBは大きく頷いていた


『これはですね、どちらも、私の問いかけを自分の思い込みで解釈して、態度を決めたということになりますね』


ーほぼ全員、唖然とす…-


***


『時間がないので全員には聞きませんが、たぶん、他の皆も今の二人と同じようなところだと思います。各人、それぞれの解釈で、A君やBさんのようにスタンスを選択したのではないでしょうかね…』


ここでのリアクションは、みな一様ではなかった


俯く者、頷く者、思わず苦笑する者…


しかし、誰もがナナボシ先生の指摘には胸の内を覗かれた思いだったに違いない




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