花に償い
「資金集め、俺もやります。二人でやったらきっと……」
「わたしがここに居る理由、貴方にもあるのに?」
思わず笑ってしまう。
嘲笑だ。
「わたしを裏切って、彼女に取り入って、またわたしに尻尾振るつもりなの?」
「そんなつもりじゃ、」
「良い? わたしが今ここに出てきているのは温情よ、本当は貴方の顔なんて見たくもないんだから」
そう、これが本来のわたしだ。
言葉で人を刺す。
刺し殺してきた、色んな人を。
「それとも、貴方を散々こき遣った元主人がくたくたに働いている様子が見たかったのかしら?」