花に償い
やるなら、一人で、だ。
肇にそれを言われて、段々と生きる希望が見い出せたところもある。
「でも、やりたいです」
耳を垂れる犬のように、項垂れる肇をじろりと睨み上げる。
「やりたいなら百合音さんとやりなさい」
ちらちらと白い破片が降ってくる。
雪だ。
「薫子さま」
両手を掴まれ、肇はそれに額を寄せる。
結晶がその髪に、肩に、腕に落ちた。
わたしは肇に会うと、今までの感情と、俯瞰的に見た感情が入り混じってぐちゃぐちゃになる。
「ハジ」
髪の雪を払い、その頭を撫でた。