花に償い
「はい、きちんと」
「……それなら良いわ」
「薫子さまはもっと食べた方が良いです。前に来たときよりも細くなられて」
包帯をしていない方の腕に触れられる。
「わたしの話は良いのよ。学園の皆は元気?」
「元気、です……」
「なんでそんなに自信なさげなのよ。あ、ほら彼はどう?」
わたしが好いていた彼の様子を尋ねると、肇は口を噤んだ。
「……お変わりありません」
「それは良かった」
「薫子さま、お腹空いてます?」
「空いてないけれど。どうして?」
甘い焼き菓子を前に大量に持ってきたので、もう絶対に持ってくるなと言っていた。