花に償い

少し警戒しながら肇を見ると、椅子からおりてわたしの足に触れた。

「元気がないように見えたので……」
「わたしはお腹空いてると元気がないと思われてるのね」
「前なら、絶対に学園の様子を尋ねることは無かったと思います」
「……そうね。年齢かしら」

同じ話を桃香ともしたな、と思い出す。

本来の薫子ならば自尊心を守る為に、絶対に学園の話題なんて出さなかっただろう。彼の話なんて、尚更。

「おばあ、」
「歳取りすぎだわ」






肇は下宿先へ通ってきた。

「通い婚?」
「あれは押し掛けよ」

桃香が楽しそうに笑っている。

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