花に償い

え、今、なんて?

「脅すって、何を」
「君に危害を加えられたくなければ、手のひらを返し、百合音側につけと」
「……そうですか、なるほど」

俯瞰する自分が頷く。

確かに、そうすれば肇が急に百合音に寝返りわたしを裏切ったことの辻褄が合う。

そんなことの答え合わせを今するのは。

「それを百合音は知らない」

優一は視線をテーブルのコーヒーへやったままだった。

一度としてわたしの方を見ることはない。

「肇がそれを明るみに出し、百合音の使用人を辞めると言っているんだ」

言いたいことの全てを理解した。

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