花に償い
じゃがいもを剥きながらぶつぶつとこれからのことを考える。
確かこの店の常連に医療関係の人間がいた。
タイミングを見計らって声をかけて。
肇が学校に通ったら、優秀な生徒になりそうだ。
そもそも頭は良いし、それが優一の癪に障らなければ良いけれど。でもそれによって百合音の懐に入ったなら、もうきっと手出しは出来ない。
もうわたしを引き合いに出されることも無いだろう。
わたしの可愛い犬。
桃香もわたしのこと、猫って言ってたから、同じ家畜だったということなのかも。
とんとん、と裏口の扉がノックされた。
顔を上げる。