花に償い
パッと目が合った。
最悪だ。
「おい、何見てんだよ」
腹部を蹴り上げられ、胃の中のものがせり上がってくる。昼前に食べたものは殆ど消化しきっていて、胃酸を吐き出した。
「おいお前、金庫の場所はどこだ」
店内に血を撒き吐き散らしたなんて女将さんに怒られる。
「聞いてんのか!?」
黙っているわたしに焦燥からか再度腹部に足がぶつかる。
咳き込みながら腕を立てる。
「……知るわけないし、知ってても教えるわけないでしょう……?」
先程漸くこれからの方針が立ったというのに。