花に償い

警察が到着してから、女将さんたちが来て、わたしは病院と警察に呼ばれた。

強盗たちは生きていた。この辺を荒らしまわっていたらしい。

女将さんと桃香はわたしの姿を見て青くなり白くなり、泣いてくれた。

親でも、家族でもないのに。

「あんたは! じゃがいもばっかり剥いて!」
「ええ」
「額の傷が治るまで休みな!」

そして叱られた。桃香は心配していた。

病院では検査をしたらすぐに退院させられ、わたしは下宿先に戻ってきた。

戻ってきたと思えば、肇の部屋にいた。

「え、なんで」
「なんで?」
「いやわたしの部屋に……」

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